2019年09月01日
葉月の例会 茶室には初秋の気配がただよって
第87回定例会報告書
葉月の例会は、8月24日(土)午後から大宮の堀先生のお宅で開催
されました。今回はしばらく療養中だったメンバーが復帰し、また
堀先生の大宮教場の方が参加してくださり、久しぶりに参加者は
10名になりました。
12時半に大宮駅で待ち合わせて、タクシー組と徒歩組に分かれて
堀先生のお宅に向かいました。チャイムを鳴らすと、涼し気な絽の
和服をお召しになった堀先生が迎えてくださいました。茶室には、
源氏物語絵巻に描かれているような御簾やすだれが涼し気にかけて
ありました。
お床に掛けられた、繊細な草書体で書かれた良寛の「一二三 いろは」
の色紙と、堀先生お手作りの「杵」の花入れに生けられた吾亦紅が茶室
に涼をもたらしています。またお床には珍しい茶筅も飾られています。
猛暑日のお稽古にも拘わらず、お床の飾り、お道具の取り合わせ、
桔梗をかたどったお菓子などが、初秋の風が吹いているような雰
囲気を茶室にもたらしていました。
二組に分かれて、堀先生の茶箱のお点前を拝見しながら、お薄と
お菓子を美味しくいただきました。今日は、故堀浄親先生(堀
先生のお祖父様)が良寛の書「衆酔独醒」から引用してお写し
になった「独醒」の文字が金の漆で描き出された銘々皿でお菓子を
いただきました。「衆酔独醒」は、周囲の人は酒に酔っているが、
自分だけは醒めているという意味。転じて周囲の人は道徳を失って
いるが自分だけは正しく生きているというような意味だそうです。
鉄瓶がかけられた瓶掛け 堀山城十代 堀浄親作
「独醒」の銘々皿
桔梗をかたどった和菓子 熱いお茶を美味しく頂く
お茶の稽古終了後は、リビングで恒例の暑気払いの懇親会が始まりまし
た。高知のカツオのたたきをはじめ、持ち寄りのご馳走が並んだテーブ
ルを囲んで、まずはポルトガル産の美味しいワインで乾杯。
大宮教場から二人の男性が参加なさったからでしょうか、話題は、
若冲がなぜあのような絵を描いたのかという話から、日本の伝統工芸
の継承問題や国際問題、そして人気テレビ番組の話など多岐にわたり
ました。美味しいワインを飲み、食べ、お喋りに花を咲かせました。
今回もまた、あっという間に散会の時間となりました。
次回例会は9月21日(土)目黒区立菅刈公園で開催されます。詳細は
あらためてお知らせします。
茶道サークル「凛」に関するお問合せは、世話人の葦原美和子
(ashihara@ryoma21.jp)までお願いいたします。
posted by 凛 at 13:10
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2019年07月31日
文月の例会は涼し気なしつらいの中で
第86回茶道サークル「凛」文月の例会
7月20日(土)目黒区立菅刈公園和館で文月の例会が開かれました。
参加者は7名でした。
雨降り続きのお陰で、庭園の木々の緑が色鮮やかでした。
今年は梅雨明けが遅れていますが、今日は堀先生が文月の例会に
相応しく、夏らしいしつらいを整えてくださいました。涼しげな
お点前とお道具の数々で目を楽しませていただきました。
【床】
軸 太田垣連月
「もののふのやしまのうらのゆふしおにながれもあへぬ弓
はりの月」
香合 流水に菊の模様 (中村宗悦作)
花入れ 絵唐津徳利(13代中里太郎右衛門作)
花 ガマとハンゲショウ(半夏生)
太田垣連月の書は、写真に写らないほどの細い線で繊細に書かれて
いますが一種独特の力強さがあり、一度拝見したら忘れられない
個性的な筆跡です。
今日はいつもの風炉と釜に代わり、瓶掛けに銀瓶がかけられていて
暑苦しくないしつらいです。
【涼を呼ぶお道具の数々】
瓶かけと銀瓶 木目の美しい桑の茶器
(銀瓶は故堀政五郎先生作) 駒澤利齋(千家十職)作
金平糖の入った振出し 涼をさそうガラスの茶碗
今日は堀先生が略式盆点の点前でお茶を点ててくださいました。
暑い夏の時期は、軽々とお茶を点てることが涼しさを呼ぶおもてなし
になることを学びました。いつものようにお薄と向日葵をかたどっ
た長岡のお菓子と、振出しに入った金平糖を美味しくいただきました。
【略式盆点ての準備】
お点前の道具を飾った 帛紗をかけて瓶掛けの
欅のお盆 前に飾ったお盆
先生のお点前を拝見してから、全員で盆点ての割稽古が始まりました。
お盆に掛ける帛紗の扱いの稽古は、器用な人とそうでない人の差が如実
に表れます。筆者(世話人)は後者の筆頭です。
お盆の帛紗を美しい
所作ではずすところ
盆点ての割稽古が終わり、交代で点前座に座ってお茶を点てるお稽古
が始まりました。
帛紗を畳んで 銀瓶のお湯を注いで
お道具を清めます お茶を点てます
美味しいお茶が
点ちました
初体験の盆点てのお稽古が終わり散会となりました。今日は、外の
蒸し暑さを忘れて心鎮まる涼しいひとときを一同楽しく過ごすこと
ができました。
今後の予定は以下の通りです。
8月24日(土)大宮悠瓢庵(堀先生のご自宅)終了後暑気払いの懇親会
9月21日(土)目黒区立菅刈公園
10月26日(土)目黒区立菅刈公園(予定)
詳細は改めてお知らせします。
茶道サークル「凛」についてのお問合せは、世話人の葦原美和子
(ashihara@ryoma21.jp)までお願いします。
posted by 凛 at 13:39
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2019年06月16日
紫陽花が美しい菅刈公園で水無月の例会が開かれました
第85回茶道サークル「凛」水無月の例会
梅雨入りして雨模様の6月8日(土)に令和元年最初の月例会が
目黒区立菅刈公園和館で開催されました。今回は他の予定と重な
って欠席した人が多く、参加者は5名だけとなりました。
雨に濡れてひとしお美しい紫陽花
堀先生が令和元年水無月らしい室礼(しつらい)を整えてください
ました。
【床】
花入 瑞鳥を象った古銅の花入(堀 政晴 作)
花 小ぶりのガクアジサイが楚々と生けられました。
「和顔愛語」 故堀政晴先生作の花入
丸卓(まるじょく)に
飾られた唐三彩の水指
堀先生作の木の葉に
堀先生のお点前を拝見しながら、長岡から届いた美味しいお菓子と
お薄を頂きました。今日の和菓子「紫陽花」はお代わりを頂きたい
ほど格別の美味しさでした。
紫陽花きんとん
続いて、本日お持ちくださったお茶碗の特徴や由来について
堀先生が解説してくださいました。古の茶人たちの発想の豊かさ
に感服しました。
白薩摩火計り手(ひばかり手)* 雨漏手(あまもりで)
左縁に蟲喰(むしくい)** 模した茶碗***
石川満作の亀甲文染付茶碗 令和」の茶碗
*火計り
器の土や釉薬は朝鮮のものを用いているが、焼成地が日本である
もの、すなわち燃料(火)だけが日本であるという意味
**蟲喰
磁器のふちに現れた小さな、釉(くすり)の剥落した跡を蟲喰と呼ぶ
***雨漏
長年お茶を点てて使っている間に生じたシミを雨漏でできたシミに
例えて、このような茶碗を雨漏と呼ぶ
今日は出席者が少なかったので、点前座でお薄を点てるところまで、
全員がじっくりとお点前のお稽古をしました。
最後は皆で手分けしてお道具の片付けをして散会となりました。
片付けもお道具を大切に扱うことの大切さを学ぶ機会となります。
今後の予定は以下の通りです。
7月20日(土)目黒区立菅刈公園
8月24日(土)大宮悠瓢庵(堀先生のご自宅)
9月21日(土)目黒区立菅刈公園(予定)
詳細は改めてお知らせします。
茶道サークル「凛」についてのお問合せは、世話人の葦原美和子
(ashihara@ryoma21.jp)までお願いします。
posted by 凛 at 18:38
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